2016/11/20

共振するからだ


 後れ馳せながらホソマさんの『介護するからだ』を読んだ。日付はないものの、グループホーム日誌。

 考察対象が動作。それを言葉でいかに説明するか。いざわさんのイラストはあるものの、大半は文章。口に出して読むと、情景が目の前に浮かぶ。

 記憶に残ったくだりをいくつか書いておこう。

 ある入居者にいっしょに立ち上がってもらおうとして、声をかけると、彼の手元を見て、「ん? 三角するの?」。
 彼の両手が親指と人差し指で八の字に開いて向かい合ってテーブルについてできた隙間が三角していたのである。
「そう、三角です」と言うと、その人も一緒に三角を作り、立ち上がるきっかけが生まれた。その後は悪戦苦闘したらしいが、第一段階は終わった。
 どこに注目するか、人によって違う。というエピソードでもある。

 居合わせた高校生から「かわいい!」と声が飛んだショッピングモールはフードコートでの晩餐会もいい。そろいのひざかけの車椅子の整然と並んだ列が何かのCMのようにファッショナブルだったらしい。誰かCMを作らないだろうか。

 いろいろヒントをいただいた。どこかで花を開かせよう。



 ホソマさん、ギターを弾くんだ。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...