2016/11/20
共振するからだ
後れ馳せながらホソマさんの『介護するからだ』を読んだ。日付はないものの、グループホーム日誌。
考察対象が動作。それを言葉でいかに説明するか。いざわさんのイラストはあるものの、大半は文章。口に出して読むと、情景が目の前に浮かぶ。
記憶に残ったくだりをいくつか書いておこう。
ある入居者にいっしょに立ち上がってもらおうとして、声をかけると、彼の手元を見て、「ん? 三角するの?」。
彼の両手が親指と人差し指で八の字に開いて向かい合ってテーブルについてできた隙間が三角していたのである。
「そう、三角です」と言うと、その人も一緒に三角を作り、立ち上がるきっかけが生まれた。その後は悪戦苦闘したらしいが、第一段階は終わった。
どこに注目するか、人によって違う。というエピソードでもある。
居合わせた高校生から「かわいい!」と声が飛んだショッピングモールはフードコートでの晩餐会もいい。そろいのひざかけの車椅子の整然と並んだ列が何かのCMのようにファッショナブルだったらしい。誰かCMを作らないだろうか。
いろいろヒントをいただいた。どこかで花を開かせよう。
■
ホソマさん、ギターを弾くんだ。
-
バニアード (1999)の『 心理学への異議 』( 鈴木聡志 訳 2005)はいい本だ。内容も訳も。 その本の原注に、以下のような記述があったのをすっかり忘れていた。 心理学研究で調査される人を表現するのに「被験者(subject)」と「参加者(participant...
-
卒論のテーマをどう決めるか 卒論も研究の端くれ。ならば、自分の関心を形にする術を学ぼう。 それはどうすれば学べるか。 A.関心がある程度決まっている場合 1.自分の関心に関連のある専門用語をリストアップする ・教科書を繰ってみる ・これをしておくと、考察が...
-
要旨をどう扱うか。 要旨(アブストラクト)の記載や提出を求められることがある。 その場合、どう書けばいいのか。 学生たちの書いたものを見ていると、要約ではなく、紹介に堕しているものがほとんど。例えばこんな感じだ。 1章では◯◯についてふれた。2章では...