2017/01/04

2016年度ゼミの卒制・卒論

今年度、ボクが世話した「卒制・卒論」は、以下の4点(過去の一覧はここ

  1. 映画離れは起きているか―映画との接触の変化から考える(論文)
  2. 若者の音楽離れは本当?―東経大生の音楽ライフ(論文)
  3. 人生における「壁」の乗り越え方(論文)
  4. 写真「未来視線」(制作)

 1と2は、映画(館)と音楽、とそれぞれ研究対象が異なるものの、世間で語られていることと、本人の実感とのずれを追究した論文である。結論は、映画離れも「音楽」離れも起きていない。ただし、前者は人気作品に依存し、後者は有料音楽「離れ」は見られるという。 「有料音楽」離れはアーティストにとって深刻な問題であり、このまま行けば、いずれ音楽が聴けなくなる日が来るかもしれない、と危機を訴える。

 3は、「人生の壁」を経験した本人が、その壁をどうすれば乗り越えられるのか知りたく、そのヒントになりそうな本を数点読み、そこから乗り越えかたを説いたもの。壁は、その人にとっての壁であり、見方次第で超えられると締めくくられている。中身の性格は制作と論文の中間。

 4は、東経大生の目を撮影し、その何十枚もの写真で構成した作品。被写体になった学生は、数十枚もの中からすぐに自分の目を見つけられる。作者は視線の先に「未来」があるという。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...