シェリー・タークルの『一緒にいてもスマホ SNSとFTF』(日暮雅道訳)から。
本書の主張は「会話の復権」。ただのおしゃべりではなく、オープンエンディッドな会話。つまり、イエス・ノーで答えられないような会話だ。デジタル依存へのレジリエンスがあるうちに、ネットなし時代を経験している人がいるうちに、生まれついてからネットあり・デジタルあり世代だけになる前に、という意味でもある。
手書きで原稿を書いてきた経験があると、ワープロのありがたみはわかるが、ワープロで書いてきている人はどうなのだろう。
さて、この本で知った用語がいくつかある。
- ファビング phubbing スマートフォンをはじめとするモバイル端末に熱中するあまり、現実社会で居合わせている人へ意識を向けず、コミュニケーションが阻害されてしまっている状況を指す語である(「IT用語辞典バイナリ」から)。
- グレイジング grazing あちこちで、いろいろなことを拾い上げ、そうした断片をかき集めこと。まとめサイト作成もこの一種だろう。
なぜふれたのかわからないが、訳者あとがきの最後に、「シーモア・パパートは、タークルの元配偶者」と出てくる。知らなかった。
「つながっていても孤独?」(TED)は、彼女のシリーズ3作めAlone togetherの内容。