楠木新さんのコラムは「定年の日を境に起こる『誰も名前を呼んでくれない』」。
https://diamond.jp/articles/-/135578
以下は、その抜粋。
名前を呼ばれるのは病院だけ
定年退職は誰にとっても大きな環境変化であるが、その変化をどういう点で感じるかは人によってさまざまだ。
私にとって一番印象的だったのは、誰からも名前を呼ばれないことだった。どこにも勤めず、無所属の時間を過ごしていると、自分の名前が全く呼ばれない。
社内では、「〇〇さん」、「〇〇調査役」などと当然のごとく声をかけてくれた。それがいかにありがたいことだったかは退職して分かった。
退職した年末に、病院で順番が来た時に看護師さんに「〇〇さん、次が診察ですのでこちらでお待ちください」と声をかけられたのが唯一だった。これは笑い話ではなくて本当だ。
また別の退職者は、ハローワークの相談員と面接した時に自分の名前を何度も呼んでくれたことがとても新鮮だったそうだ。
彼からその話を聞いた時に、「たしかcallingというのは、英語で職業という意味だったな」ということが頭に浮かんだ。
辞典を見ると、「職業」のほかに「 天職;(神の)お召し」という意味もある。会社勤めの時には意識しなかったが、定年後一人になれば、何らかの意味で、誰かに呼ばれなければやっていけない。
それは職業上であろうと、家族や地域の人やボランティア仲間、誰であっても構わない。名前を全く呼ばれないということは社会とつながっていないことを意味する。
私は、楠木新(くすのき・あらた)というペンネームがあり、編集者やセミナーの主催者とメールなどでやり取りしているので、何とかもっている。
そうでなければちょっと耐えられないかなと感じている。やはり人は一人では生きていけないのだ。
▼この記事に対するコメント
https://newspicks.com/news/2376326/
▼社会人4ヶ月の人の感想
https://takaxtech.com/2017/07/29/article16/