NHK クローズアップ現代+
“改名” 100人~私が名前を変えたワケ~
日本は、年間4000人以上の人々が名前を変えている。性と名前の不一致に悩むトランスジェンダーの人々や、キラキラ・ネームをきっかけに親子の関係を見つめ直した若者。親から受けた虐待の記憶を断ち切り人生のリセットを期す人、さらに過去に犯した罪を償った後も実名が世間に拡散しいつまでも再出発できない人。
改名することで新しい人生を歩み出したいと願う100人にアプローチ。
肇さん
「僕は『王子様』から『肇』に“改名”しました。(母が)私にとっての王子様だからみたいなことを言ってました。名前がキラキラネームというのは、本当に悪い言い方になっちゃうんですけど、親がばかだって自己紹介しているようなもんなんですよ」
春香さん
「私は出家をしたので鳴海ハトルという名前から、鳴海春香という名前に改名いたしました。出家ですから、まずこの俗世間を捨てるという意味で」
詩織さん
「男性から女性になるために、直樹から詩織に改名しました。過去の自分を見えなくしたいという思いがあったんで」
多香子さん
「私は、尚子(たかこ)から多香子に改名しました。漢字を変えています。ほぼほぼ読まれないんですよ。ナオコさんナオコさんって呼ばれて」
アリスさん
「私は亜梨子(ありす)からアリスに改名しました。パスポートの表記をローマ字から英語に変えたかったからです。元々はARISUのスペルだったんですけど、今は変わってALICE、いわゆる英語のアリスになりました」
元受刑者
「名前が本名だと過去の犯罪歴が今は簡単にインターネットで出てしまうので、名前が爆弾になるということですね。それがいつ爆発するか分からないという、恐ろしさですよね。刑務所ですと番号だけで呼ばれるんですけど、番号じゃ味気ないんで。名前は爆弾なんですよ、僕にとっては。本名で過去の犯歴が出るんで。今でも出ますね」
亮さん
「私の名前は亮です。昔の名前は亮子でした。感覚でいうとお札貼られている感じです、女性っていう。『はい、亮子ちゃんです、ペタッ』みたいな。亮子ちゃんと呼ばれると、『亮子ちゃんなんだよ、ギュッ』というお札を貼られている感覚で。勝ち気だったので、『馬鹿にしているの?』というふうにすごく思っていました。亮子のままだったら、僕は亮子の人生だったんだと思います。でもそうじゃなくて、亮子の人生を踏まえつつも、僕は途中から亮の人生に変わったので。だから名前は、人生だと僕は思います」
さち恵さん
「私にとっての名前っていうのは、呪いでした。父からもらった呪いでした。私は幸絵(さちえ)から、さち恵に改名しました。父の名前が『幸』、幸せという字が入っていたんですが、その『幸』の字をつけて幸絵っていう名前を。『絵に書いたような幸せ』っていうような意味が入っていたらしいんですが、小学校5年生のときに、父親が暴力を振るうようになってしまって。(父が)いたら暴力を振るわれるか、暴言を言われるかっていう感じなので、同じ空間にいたくないという状態で、何年も過ごしてきました。名前を書くたびに、自分の名前の中に父親の漢字があって、っていうのが、だんだん苦痛になってきて」
いまは智子さん
「美凰に改名します。幼少期に人格否定の言葉なんかを浴びせられるときに、やはり親は自分の名前を呼んでいたので、そうした名前じゃない自分になりたい」
あなたにとって名前とは?
- 自分にとって名前とは“ファッション”
- 親からもらった最初の“贈り物”
- 名前は“人生”なんだと思います
- 父からもらった“呪い”でした
- “大切な宝物”
- 名前は“爆弾”なんですよ
- “記号”です。“識別番号”です
ある番組の放送時間を確認しようと思って番組欄を確認したら、それは翌日で、偶然発見。