名字・名前と漢字(笹原宏之)
日本人の名字はおもしろい。「服部」をハットリ、「小鳥遊」をタカナシと読むのはなぜ? 「大谷」はオオタニ・オオヤ、「中島」はナカジマ・ナカシマと、読み方が分かれる理由とは? 日本には、中国の王(ワン)氏、韓国の金(キム)氏のような漢字一字の音読みの名字はないのか? 「佐藤」と「藤田」などの人口が、地域によって異なるのはなぜ? ハンコからはみ出すほどの日本で最も長い名字とは?
下の名前は、さらにおもしろい。「苺」は2004年に解禁され、すでに幼稚園では当たり前になってきた。「一二三」はワルツ。では、「三二一」は何と読む? 森鷗外は自分の子供に於菟(おと)、茉莉(まり)、杏奴(あんぬ)、不律(ふりつ)、類(るい)と欧風の名をつけた。では、今日の命名と鷗外の頃の命名とは、何が違うのか?
この連載では、日本語を構成する重要な固有名詞である名字と名前のおもしろさ、その実態と背景に迫っていく。
第1回 世界の名字事情―日本人の名字を知るために
第2回 漢字圏の名字事情(1)―中国と台湾
第3回 漢字圏の名字事情(2)―韓国とベトナム
第4回 ローマ字圏の名前
第5回 漢字圏の名前
第6回 日本に多い名字とは?(1)
第7回 日本に多い名字とは?(2)
日本の名字ランキングを作った男、惣郷正明の調査から
第8回 鈴木か、佐藤か―日本に多い名字とは?(3)
戦後行われた名字調査の歩み
第9回 民間の名字ランキング―日本に多い名字とは?(4)
企業・個人がデータを使って算出した名字ランキングの軌跡
第10回 日本の名字と名前
日本の名字や名前に関する昨今の状況
2019/10/30
フルネームで呼んでくれてありがとう
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