2020/01/01
一夜明けて2020年
大晦日まで行っていた台湾。台湾は今月11日の総統選挙運動真っ最中、立候補者の看板や投票キャラバンをよく見かけました。上の写真は、若者の集まる台北市西門地区で撮影した出発直前のキャラバンです。表情がいい。撮影に応じて、彼らが取ったポーズはピースサイン。乗っているのは、レンタサイクルのYoubikeです。キャラバンはこの利用促進も兼ねているのでしょう。
4年前の総統選は投票率が66.3%と、これまでの最低記録。戸籍地を離れている若者たちの投票率向上は長年の課題。かたや商店の店頭ディスプレイに「香港加油」の文字がかかげられたり、台北當代藝術館の企画展で、香港で使われた政府批判のポスターや映像が取り上げられたりと、香港支援の姿勢は随所で見られます。
よく見かけたものとして、ほかにジェンダーフリーのトイレもあります。「性別友善厠所」の下にはAll Gender Restroomという英語が添えられ、性別トイレ同様、よく利用されていました。街頭では、レインボーカラーがプリントされた路上で写真を撮る人の姿も。
デザインやアート、クラフトに対する関心の高さを体現した文創園区(Creative park)に続く動きとして、小さなリノベーション地区がいくつもできていました。台中市の「緑光計畫」では、Mini market, Big dream! Wish you have a wonderful trip! という看板が訪問者を待ち受けていました。「夢」と「幸福」は、現代台湾のキーワードなのか、今回、街中でよく見かけた2語です(幸福価格とか)。
誠品書店もいくつか回ってきました。日本書籍のコーナーでは映画の原作『人間失格』が平積み、樹木希林のコーナーもできていました。取り扱い点数が絞られるだけに、ここで日本でのブームにふれられます。誠品ホテルは松山文創園区に行ったついでに偶然発見。核となる事業に違いはありますが、無印良品との共通項が増えています。
台北に行くと、いつも探す文化情報誌『文化快遞 culture express』。内容が増え、冊子になっていました。印刷物は中国語のみですが、サイトには日本語情報もあります。美術館周りに欠かせない月刊誌です。
最後に、昨年の仕事の成果数点をかかげます。『現代用語の基礎知識2020』の「樹木希林」と「玉城デニー発言」の2項。『平成世相風俗史年表 1989→2019』。紀要に掲載した「インタビューを書く」。なお今年最初の成果は、同じく紀要に掲載予定の「レヴィンの贈り物」(2月19日発行予定)です。2、3日すれば、リポジトリでも公開されます。今年も細々ながら書いていきますので、お読みいただければ幸いです。
最後になりましたが、今年がいい年でありますよう祈念します。
おまけ 華山1914文創園区で聴いた扶桑花樂團のライブがよかった。
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