2020/01/10

台北MRTの路線表示

台北(台湾)の鉄道システムはよくできている。行くたびにそう思う。3年ぶりに訪れた今回もバージョンアップされていた。

MRT(Mass Rapid Transit)のチケットはトークンとICカードの2種類だけ。券売機のインターフェイス。構内の設計にしても、車内放送にしても。機会があれば、担当者と話をしたいぐらい、よくできている。

今回はMRT(地下鉄)の路線表示を取り上げる。

日本でもようやく始まった駅のナンバリング表記。日本では路線名のイニシャルが用いられる。山手線だとJY。JRとYamanoteの組み合わせだ。JR系はすべてにJが付く。イニシャルと色は連動していない。連動しているのは車体の色。山手線はグリーン。

日本の場合、路線名の手がかりはイニシャルしかない。台北のMRTは色も用いる。つまり二重システムだから覚えやすい。掲げた路線図の凡例を見てほしい。

MRTの路線は5種類。文湖線、淡水信義線、松山新店線、中和新蘆線、板南線。各路線は順番にBR、R、G、O、BLという略称が振られている。板南線が最初のきっかけだったのだろう。板南線の英語表記はBannna Line、イニシャルはBL。ならば色はblue、青にしようとなったのだろう。板南線以外の4路線はイニシャルが路線名由来ではない。

文湖線はBR、淡水信義線はR、松山新店線はG、中和新蘆線はO。BRはブラウン、Rはレッド、Gはグリーン、Oはオレンジ。アルファベットと色を連動させた駅名は覚えやすい。固有名詞は外国人には了解しにくい。であれば、固有名詞にこだわるよりも、より普遍的な手がかり、たとえば色を用いたほうが伝わりやすい。東京は路線が多く、色だけでは対応できないかもしれないが、それでも、設計の原点に置いてほしい発想がMRTにはある。