ミッキーの丸い耳のついた黒いキャップを僕は大事にしている。頭にかぶればただちにミッキーになれる。アメリカのディズニーランドで購入したものだ。ミッキーの顔ないしは体ぜんたいを、出来るだけ大きくプリントしたTシャツを探している。
僕の名前のなかにある「義」という文字の、最初の一画、そして二画は、どちらもごく短い線だが、これを黒く丸く塗りつぶすと、見ろよ、よく見るといい、しっかり見ろよ、それはミッキーの耳以外の、なにものでもないではないか。ミッキーの耳そのものだ。僕は命名されたときからすでに、ミッキーマウスなのだ。(『キネマ旬報』2018年11月上旬特別号から)名前の漢字にこんな遊び方があるとは。