2020/07/05

万年筆シロウト





万年筆。と言っても千円から二千円程度のもの。それを何本か買った。その範囲内でという条件付きで国産メーカーの印象をちょっと書く。

持ったとき一定の重さがあり、万年筆を手にしている実感するのはパイロット。測ったら1/3程度インクが残っている状態で26グラムあった(コクーンシリーズ)。かたやプラチナはしばらく使わなくてもすぐ書ける(広告文によれば一年放っておいても大丈夫とか)。軽い。インク満タンで18グラム(プレジールシリーズ)。軽すぎる。

パイロット万年筆用のインクカートリッジを昔、京都に行ったとき廃業直前の文房具屋さんで買い求めたものが残っていたので、それを使うために、コクーンシリーズから一本買った(当時の万年筆はどこかへ行ってしまった)。インクは買って10年近く経つ。製造自体はもっと古いのだろうが、劣化していなかった。スラスラ書けた。色はブルーブラック。と言っても、時間が経つと黒くなる昔のブルーブラックではなく、色がブルーブラックというだけのこと。でも万年筆の基本色だと思っている。ボールペンにはない色だから。

飛行機で旅したとき、それがインク漏れを起こした。縦にしておけば漏れないらしいが、それを維持するのは至難の技。そこでインクが乾きにくいという触れ込みのプラチナ製品を買った。値段に関係なく全製品がそういう仕様になっている。それだけ密閉度が高ければ気圧変化にも強いはず。そう思って一本買ったのがプレジール。実験すべく飛行機に持ち込んだ。到着後すぐに確認すると、インク漏れはなかった。同乗したコクーンは漏れていた。

好みで言うとペン先の形はパイロットがいい。アカデミズムのシンボルに使われるペン先の形で、腰が締まっている。かたやプラチナは寸胴。キャップをする際、内側にペン先が触れやすいのがパイロット(キャップの内側にインクが付く)。そうならず、スッと入るのがプラチナ。

今回、何本か買って気づいたことを記す。購入の参考まで。

シリーズの選択に迷ったら、ペン先の種類(太字〜細字)の多いもの、軸の色の種類が多いものにする。それはメーカーが力を入れている証(だと思う)。

ペン先は細字がいい。太字、中字、細字、さらには極細。とあると、なんとなく中字が標準と思ってしまうが、実際に書くと太い。この区分はメーカー差がある。プラチナの細字はパイロットの中字に近い。最初、細字だと引っかかりそうな気がしたので中字にしたが、もちろん、それは杞憂。最初は細字がいい。インクも持つ。

義父の遺品にセーラー万年筆があった。当時のことだから、ペン先は14金。いま1万円以下の製品は十中八九、ステンレス。金色の場合、それはメッキ。中身はステンレス。14金を味わってみたい。

今日は都知事選。緑以外のインクを買った。蕎麦はキツネにした。


丸善万年筆の説明書に、〈丸善は、日本で初めて万年筆と命名〉とある。考案者は、当時の社員、内田魯庵。ところが日本国語大辞典に「まんねんふで」という項があり、〈矢立ての異称〉とある。正確には、新しい筆記具に以前からある万年ふでを当て、万年ひつと呼ぶことを考え出したのが魯庵(井上ひさし『大辞泉』広告 毎日新聞 19960103から抜粋)。