2024/08/19

5歳のときの改名経験がきっかけ

「女性初に注目、はて?  日弁連会長・渕上玲子さん(69)が変えたい景色」

池上 彰「虎に翼」、ご覧になってますか?
渕上玲子 はい。毎朝出勤前に必ず拝見しています。まずNHKBS、それから総合テレビ、と2回見ています。
(略)
池上 ご自身は幼少のころ、裁判官に憧れたと聞いています。
渕上 これはもうネタになっているんですが、私は5歳のときに家庭裁判所に行って、名前を変更した経験があるんです。もともと戸籍上は「冷たい子」、「冷子」だったんです。それを「玲子」に。
池上 なぜそうなったんでしょう。
渕上  父が役場に出生届を出す際、受付の人に「『玲』は戸籍に載せられる字ではありません」と言われて、それでなぜか「冷」にしてしまったみたいです。
池上 この頃「玲」は認められていなかったんですか?
渕上 そんなことないと思います。私と同じ学年で「玲子」は何人もいますから。だから役場の間違いなんですよね。
池上 間違いを修正するには、家庭裁判所に訴えなければならない。
渕上 母がこの誤りに怒っていたみたいで、ふだんから私に「玲子」と書かせていたんです。家庭裁判所の裁判官が「あなたの名前を漢字で書いてごらんなさい」と言ったので、私は迷わず「玲子」と書きました。これが証拠になったんでしょうね。必要性が立証され、変更がかないました。
池上 5歳のときの記憶が随分鮮明ですね。よほど印象に残ったのでしょう。
渕上 そうですね。不思議なことに、家庭裁判所の長い廊下を連れていかれたことや、その裁判所の雰囲気を今も覚えています。「裁判官は名前まで変更できる存在なんだ」と敬意を抱きました。