仙台駅前で牛タンで腹ごしらえ、準備万端ととのえてシャトルバスに乗ること2時間。着いた先は「南三陸ホテル観洋」。今日の宿だ。
ガソリンスタンドで聞くと、かろうじて残っている建物は南三陸署。そして、その右側の向こうに見える鉄骨だけの建物。それが「防災対策庁舎」だという。近づくと、正面に祭壇が用意されている。居合わせた人が合掌して去っていった。骨組だけの姿は広島の原爆ドームに近い。
周りを見渡しても、目に入るのは、がれきの山を築くだけのブルドーザ。まだ先が見えない。近くに仮設住宅入口の案内板があった。住んでいる人がいるのかいないのか判然としないが、何もないところでの生活は想像を絶する。
ホテルはすっかり復旧していて、利用した範囲では災害を感じさせない。ロビーのボランティア情報の掲示、工事関係者の宿泊姿、近くに住むらしい子どもたちの勉強姿を別にすれば、だが。