なんとか読了『金大中自伝』。ただし、I巻のみ。とは言っても550ページもの大部で、大統領に当選したところで終わる。
政敵に対する攻撃がすさまじい、を超える。文字通りの命がけ、想像を絶する。まるで朝鮮王朝ドラマを見ているようで、にわかに信じがたい(他国と大同小異か)。
拉致事件はじめ、日本の話も出てくる。政治家、マスコミ関係者、学生…。オックスフォード大学留学中の講演で、日本人学生が「なぜ韓国は過去に縛られ、いまもって日本と和解しないのですか」と質問した。それに対する回答の中で、ことばの言い換えにもふれられている。敗戦を終戦といい、占領軍を進駐軍という日本。
この本で、「ハンギョレ」という日刊紙を初めて知った。政権迎合の「朝鮮日報」を追われた記者たちが1987年に作った新聞で、最初からハングル、横書きで書かれた。キャッチフレーズは「書きたいことが書ける」。その雰囲気は、日本語サイトの「ハンギョレ・サランバン」で味わえる。
登場人物は、牧師をはじめ雅号で書かれるケースが少なくない。名前と言えば、イニシャル(例えば金大中はDJ)もしばしば登場する。金大中と金鐘泌(JP)との連携を「DJP連合」と呼んだり、金大中を「忍冬」(スイカズラ)と呼んだり。一人の人物がいろいろな呼ばれ方をされている。これも韓国の名前文化の一端なのだろう。
2012/03/20
フルネームで呼んでくれてありがとう
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