2013/01/13

猫日和

今日の書評で心の琴線にふれた2冊。
高山なおみ『今日もいち日、ぶじ日記』。
一瞬、ふじ日記と空目したが、本書はボクも好きな武田百合子さんの『富士日記』に捧げられている。冒頭の被災地日記を公開した理由を読みたい(好きな、は武田さんにも富士日記にもかかっている)。

エリック・ワイナー『世界しあわせ紀行』。
「不幸な国は、どれもみな同じように見えるが、幸福な国にはそれぞれのしあわせのかたちがある」としめくくられているらしい。「幸福とは思想であって考える人の大きさを応じている」は評者、池内紀さんのしめくくり。

同書をアマゾンで見ると品切れ。地元の図書館で検索すると、9冊購入で45人待ち。大学図書館にも入っていない。待つとするか。ちなみに、高山さんの本は9人待ち(1冊)だった。
酒井順子さんの『3冊の本棚』のテーマは「やりとりのありがたさ」。タイトルからしていいと思うのはひいき目か。その昔、友人が彼女を発掘したと豪語していたが、いまなおいい。今回、取り上げられているのは『年賀状の戦後史』『贈与の歴史学』『女に』。どれも読んだことがない。

読みたい本がどんどん貯まる。
浜矩子さんの「時代を読む」は安倍首相の相棒(日銀)つぶし。「『強い期待』を押し付けられた方は、やる気をなくす。やる気をなくせば、どうしてもサボタージュ気分になる」。「さらに怖いのは、『強い期待』に素直に応える相棒のへの首のすげ替えだ。これは全くまずい。だが、その日が近そうだ」。「思い臣が激しくて、子どもじみた政権が誕生すると、どうしてもこれが出てくる」。「こういう人は自ら、良き相棒を得る機会を失う」。
「つらぬけばそこに」の6回目は卯城竜太さん。岡本太郎の「明日の神話」の片隅に福島原発を重ねたChim↑Pomのリーダー。3.11を体験した中学生、高校生に期待している。同感だ。

以上、今日の東京新聞から。

今日はぽかぽか陽気。ナルちゃんが来そうな予感がする、と娘。ボクは修論の査読、家族は有明へ。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...