2013/01/24

Thinking, Fast and Slow

カーネマンの『ファスト&スロー』を読み始めた。
上巻の前半は、社会心理学の知見が「プライミング」という視点で再構成されている。ボクなどは、プライミング概念の適用範囲に驚かされる。
個々人の意思決定はそのときの状況に左右され、その意味では「合理的」とは言いがたい。しかし、それぞれがそれぞれの状況にいることで、全体として、あるいは、その帰結として、バランスが取れるというか「合理的」な決定に近づけるのだろう。人間の多様性は重要だ。そう思わせる展開になっている。
これ以降、どんな展開になるのだろうか。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...