ただ単純に、族譜に関する手がかりを得ようと、予備知識のないまま、見たのだが、テーマは族譜というよりも、1940年代に日本が行った創氏改名の強制だった。総督府の執拗な対応、憲兵の拷問はじめ、つらいシーンが多い。
作品情報を得ようと、帰ってから調べると、梶山季之原作だった。びっくり。
彼が同名の小説を書いたことは知っていたが、それが映画化されているとはまったく知らなかった。なぜ日本人の原作を映画化したのか。
イム・グォンテク監督のコメンタリーによると、「日本人原作の小説であれば、日本人がこんなことはなかったと言い逃れができないだろうという意味」。
yohnishiさんのブログにもあるように、「『白磁の人』にも通じるところのある作品である」。最後が葬列場面で終わるだけでなく、一人の志ある日本人を主役ないし準主役に描いている点も似ている。それがせめてもの救いでもある。
学生用に『韓国の旅ガイド』を頂戴して帰った。