2014/04/25

『世界思想』41号

もう1年。今年の『世界思想』が届いた。2014年春号

今号でハッとさせられたのは、田中克彦さんの「『表現』ということばのエネルギー」、細見和之さんの「高田渡とアドルノに導かれて」、山本淳子さんの「藤原兼家の『蜻蛉日記』―作品成立に働く力」。

Communicationの訳はいろいろあれど、基本は「表現と伝達」。「共有」を強調する人もいるが、それは、「表現と伝達」の結果。コミュニケーションの根幹をなす「表現」。十全にできているだろうか。表現の戦闘性を生きる。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...