1.いつもの家庭料理をプロの料理人につくってもらい、その手順を組写真方式で記録する。
2.そばで観察していた担当編集者が、それを一枚のレシピにまとめる。
3.このレシピどおりに、おなじ料理を、現場にいなかった別の編集者がつくる。
4.みんなで食べくらべる。
5.おなじ味になっていたらOK、ちがっていたらレシピを書きなおす。
6.OKがでるまで、それを繰り返す。
こうした手順で(『暮しの手帖』の)料理記事はつくられている。レシピがこのように検証されているとは知らなかった。
文章の書き方(文字使い)も紹介されている。『花森安治の仕事』からの引用だ。「ぜんぶ、ひら仮名で書いてみて、そのままでわかる言葉を使え、最小限の漢字で書き、漢字は画のすくないものを使え。改行を多くしろ。やさしい言葉で怒れ」。
梅棹忠夫のルールは「漢字は音よみの場合にかぎり、訓よみの漢字はかな書きにする」。
津野氏のあとがきの最後。
人間はかならずまちがう。まちがって終わりというわけではない。まちがったあとをどう生きるか。そこにその人間の生地があらわれる。花森の時代も私の時代もそうだった。これからもきっとそうだろう。今日は、お昼をはさんで辞令交付と新入生むけガイダンス。その冒頭であいさつをした。ようやく新入生に会えた。昨日の入学式では、どの学生がコミュニケーション学部生かわからなかったからだ。
夕方は「ハンナ・アーレント」。映画館に行く途中で、野良に出会った。まさかと思ったが、まちがいなくナルちゃんだった。1年以上行方がわからなかっただけに、びっくり。遊んでいた女性が「この近くに家があるんですよ」と教えてくれた。一安心。