来し方を考えているとき、書名に引かれて取った。
冒頭に自身の年譜が載っている。
それがきっかけで買ったのが船曳さんの『旅する知』。
ずっと英文学者と思っていたので、文化人類学者と知り、びっくり。
人生はよく旅にたとえられる。旅は単なる移動ではないからだし、1回限りのものだからだろう。
読者であるボクだけに話しかけているような雰囲気。語り口も内容も。
再訪地の変化・不変が、シベリア、パリ、ロンドン、ニューヨーク、ソウルで語られる。この中でボクが行ったことがあるのはソウルだけ。その初ソウルは10年前。著者の初ソウルは50年近く前。ソウルは戒厳令下。当時のようすは映画「大統領の理髪師」で知っているぐらい。
高野文子の『ドミトリーともきんす』。タッチが、フイチンさんに似ている。杉浦茂のタッチにも似ている。だから、古くもあり、新しくもあり、といったところ。なんとなくフワッとしている。出てくる話も浮世離れしている。