2015/06/08

あぶない見直し

新聞社サイトで知り、びっくり仰天。
「その学部、本当に必要? 全国立大に見直し通知、文科省」(朝日新聞)
 主に文学部や社会学部など人文社会系の学部と大学院について、社会に必要とされる人材を育てられていなければ、廃止や分野の転換の検討を求めた。国立大に投入される税金を、ニーズがある分野に集中させるのが狙いだ。
「社会に必要」は誰かが判断しないと決められない。誰が判断するのか、いまの時点で判断できるのか。判断の基準は?
 さしずめ、集団自衛権を憲法違反と言った人は「必要ない」部類に入るのだろう。
 同質性は弱く、多様性は強いのに、そのことすら忘れられている。
 要不要の発想は、やがて「人」の分断、選別につながる。「必要な人」と「不要な人」。ナチスの人種政策を支えた優生学と同じ発想だ。

「必要な人」しかいない社会は無人社会かも。

フルネームで呼んでくれてありがとう

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