2016/10/11

こんな本、あるだろうか

たとえば、統計の本。

 たくさんデータがあると、その特徴を一目でわかるようにしたくなる。平均はその代表例。3, 4, 5も、4, 4, 4も、「平均」は同じ。しかし、中を見ると、ようすが異なる。だから「散らばり」という指標が必要になる。

たとえば、日本語の本。

 段落の冒頭は一字下げ。なぜなのだろう。段落の始まりがわかるようにするというのが実用機能。これとは別にこんな働きもしている。最初がいきなり文字で始まったら、どきっとする。例えるなら、字下げのない段落は脱衣室のない銭湯のような、そんな感じと言えばいいだろうか。しかし一マス空いていると(空白があると)、そこで、心の準備ができる。これから文が始まるよ、という序奏が冒頭の空白にはある。

できれば、どちらも縦書きで。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...