2016/10/25

メメント・モリ

世界のお墓』。

 こういうジャンルの本を何と呼ぶのだろう。たとえば、『世界で一番美しい駅舎』。タイトルに、「世界」が付いたり、「一番」が付いたり、「美」や「絶景」が付いたり、「死ぬまでに一度は」が付いたりする、写真主体のムック。

 このジャンルにお墓もあるとは。まさに「メメント・モリ」。

 「死者を想え」。自分も必ず死ぬことを忘れるな。死と生に畏怖の心をもて。

 楽しいお墓もある。ルーマニアのThe Merry Cemetery in Sapanta

 いいなと思ったのは、自然に朽ちるタイプ。たとえば、オーストラリア連邦メルビル島のPukamani Poles。「死者とともに逝く墓」。

 先住民族ティウィ族のお墓だ。墓標が木製で(高いものだと高さ4m。直径30cm)、やがて朽ちてなくなる。「肉体が朽ち、死者の魂が慰められたら墓標もまたともに朽ちるのだ」。

 同じようなお墓として、カナダのMortuary Poleも紹介されている。これも「朽ちて自然に還る墓」。死者と暮らすお墓?、City of the Dead(エジプト・アラブ共和国)も紹介されている。

 世界各地の葬送は、自然環境にかなっているとの解説があった。木の育たない土地では火葬は容易ではない。だから鳥葬(ラサ)



 Pukamani(プカマニ)はティウィ語で、タブーを意味する。

 40年前、バナラシに行ったとき、荼毘に付している光景を目の当たりにした。まだ20代だったボクには死の日常というよりも好奇心が先行した。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...