先日、大きな大きな写真作品をもらった。
気軽に「サインが欲しい」と言ったところから話は始まった。周囲の余白がほとんどないので、裏書きで、と思っていたら、作品だから「表にしか書かない」。
つぎにアーティストプルーフということば。
「これはアーティストプルーフなので、エディションナンバーは付けない」。アーティストプルーフとは作家保存用という意味。3点まではこうしてもいいらしい。
筆記用具も鉛筆。なぜ、鉛筆なのか。
「黒鉛は安定していることと、筆圧による跡が残るため、たとえ黒鉛が取れても判読できる」。作品の雰囲気も損ないにくい。「今度あげるね」。
たった数分のやりとりだったが、その世界には、その世界の流儀がある。どんな作品か、見に来てください。