2017/06/12

「合法」的兵役拒否

1873年、徴兵令が出る。はじめは免役規定があった。

  1. 一家の主人
  2. 一家の跡継ぎの息子や孫
  3. 一人息子や一人孫
  4. 養子

この免役規定知識を広める人間がいた。実質、兵役拒否運動家でもある。
 その人たちは、あそこに子なしの家があるということを教えてやっている。すると、子だくさんの親類からは非常に頼もしがられる。あそこに廃絶した家があるとそれを再興したりして、どんどん新しい名字を名乗って、家の長男とか養子にした。これを兵隊養子とか兵隊分家とか呼んだ。そのときに新しい名字をつくって、それを今日まで伝えている家は少なくない。自分の名字が、明治の兵役拒否運動のなごりであるという人は、いまも全国にたくさんいる。自分の名前の意義を深く考えれば、そのなかに先祖の兵役拒否の願いがこもっている。そこに思想史的な血脈がある。
鶴見俊輔 2016 「兵役拒否と日本人」『敗北力』所収


名字自体に特徴があるわけではないだろうから、該当者を発掘するのは大変そうだ。


フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...