2017/06/27

「自分の名前に潰されそうになった」

宇梶剛士(たけし)さんへのインタビューから

「剛士という名前は重荷だった。おあつらえ向きっていうか、デカいし、強い。それが確信犯で喧嘩ばかりして暴走族の上に上り詰めたのだから、廊下で『おお、こんにちは、久しぶり』って誰かの肩を叩いたときや、俺が重い物を持ってるときに廊下ですれ違ったときに女の子に肘が当たっちゃっただけで、女の子たちが真っ青になる。俺が『大丈夫? 大丈夫?』って聞いても答えられないくらい震え上がってる。そういうことの連続の中で、すごく自分の強さに息苦しさを覚えたりしたまま大人になってる」(『アエラ』2007年2月5日号の改稿)

藤井誠二 2009 『大学生からの「取材学」』講談社 から。
(同書は、徳間文庫カレッジで刊行されている)

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...