2017/11/11

投票率と教育

以下は、客観的な授業でなければなりません。と断ったうえでのアイゼンバルト先生の発言である。
ただ、私たちの歴史の中で、民主主義がナチスドイツを、ヒトラーを生んだということも事実です。現在の状況はその当時と似ている部分がある。AfD(保守強硬派「ドイツのための選択肢」)の台頭です。でも、今の政治に反対しているからAfDに投票する、という選択の仕方では困るのです。議会選挙は国民の代表を選ぶもの。反対意見を反映させる場ではないのです。
自分は何に賛成するのか、という視点を忘れないようにして、政治を、選挙を考えていってほしい。そうでないと同じ過ちを繰り返すことになる。そんな危機感も抱きながら、でも若い人たちに期待しながら、授業に臨んでいます。
アイゼンバルト先生は、ベルリン南部のゲーテ・ギムナジウム(公立の中高一貫校)で政治を担当している。ドイツでは選挙の日、生徒も本番同様の模擬投票を行い、翌日、投票結果が発表される。かれらの投票結果は、緑の党(GRÜNEN)が1位で33%、AfDは8人(%は不明だが、5%未満)

増田ユリヤ「私たちはどう選ぶ? ルポ ドイツ総選挙の現場から」「アスタ」12月号。

人畜無害どころか、「中立」と称して、あれもダメこれもダメの日本の学校とは大違い。ドイツの今回の総選挙は投票率76%。前回の5ポイント増(学校の投票率も75%と近い)。もし日本の教育が失敗だとしたら、選挙の扱い、社会問題、政治経済問題の扱い方だろう。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...