「日日是アート:ニューヨーク、依田家の50年」展が9月8日まで、三鷹駅前の三鷹市美術ギャラリーで開催中。
東京新聞の美術評で椹木野衣さんが紹介していて、行きたいと思い、詳細を調べたら、全員によるトークショーがあることがわかり、申し込んだ。ギリギリ最後の数席が空いていた。
司会者が、あいさつを終え、「では洋一朗さん(息子)からお願いします」と促すと、いきなり時間がストップw 三人同時に、「みなさん、今日はお越しいただき、ありがとうございます」とあいさつしたのだ。これには笑ってしまった。まさに日日是アート。会場も一気になごんだ。
3人のテーブルにはペットボトルが3本、ガラスコップが3つ置かれていた。話し終えた洋一朗さんが、ペットボトルの封を切ると、予想と違って、一本の水を3人のコップに分け始めた。冒頭の同時挨拶に加え、このシーンは依田家(チームあるいはユニットかな)の雰囲気を確実に伝えてくれる。
本人が語る人生行路は文字通りの波乱万丈(ドラマティックでスリリング)。あとで図録を見たら、そこにも詳しく書かれている。原稿執筆は順子さん。「最初、カットされることを前提に多めに書いたら、おもしろいので全文載せましょう、となった」と苦笑。これ自体が作品になっている。まさに日日是アート。
図録には寿久さんの高校時代の友人、村松友視さんのエッセイが載っている。そのおしまいで、息子さんの名前について語り合ったというくだりがあり、お二人にうかがったら、海を越えてやってきて生まれたのだから(日本で出産)、太平洋がらみがいいのではという理由で「洋」の字が採用。「一」は第一子から来ているのだろう。
展覧会場は依田家の日日是アートが再現されている。会場にはときどき顔を出すので、話しかけてほしい、寝ていても起こしてほしいとのこと。あちこちにソファが置かれているのだ。
戦後、芸術の都がパリからニューヨークに変わった時期に渡米した依田夫妻。7/21の日曜美術館アートシーンで紹介が、8/13か14のラジオ深夜便のインタビューコーナーに家族で登場とのこと。
戦後まもなく(1ドル360円の時代)ニューヨークに渡った芸術家夫婦といえば、篠原有司男・乃り子夫妻がいる。