2019/11/30

みんな逝ってしまった

新聞の訃報と年賀欠礼の通知で、小林さんと安塚さんが亡くなったことを知った。小林さんは77歳、安塚さんは72歳。

小林さんにはいちばん最初の職場でお世話になった。大学に転出されてからも何かと声をかけてくれた——共訳、共著、受託研究、早稲田大学の非常勤講師。趣味の世界では、BOSEのスピーカー、活版、宋朝体、それぞれの味を教えてもらった。非常勤先に行く途中のKさんにばったりということも何度かあり、元気な姿しか残っていない。晩年はネット古書店を開設。レイバンの定番Aviatorサングラスをかけた、芸術家肌のメディア学者だった。

安塚さんは学部の大先輩。ほとんど家庭教師のように、大学院の受験勉強を支えてくれた。そのときのテキストはラルースの心理学小事典。それが終わったら、のちに白水社から出た『現代心理学』(ピアジェ監修)の底本。おかげで入試の個人面接で、フランス語のできを褒められた。ボクが進学してからも、勤務先の非常勤講師を斡旋してくれたりと、ずっと支えてくれた。数年前に配偶者を見送り、それ以後はふさぎがちだった。欠礼の通知はお子さんからだった。

磯貝先生(学部)、辻先生、篠原先生(ともに院)、佐藤先生(研究会)、本田先生(研究会)もすでに亡く、ついに恩師はみんな逝ってしまった。寂しい。

匿名のままでは死ねない

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