朝日新聞 2020年1月28日 5時00分
アフガニスタンで生まれた男の赤ちゃんが、昨年12月に殺害されたNGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師にちなんで「ナカムラ」と名付けられた。父親は中村医師の活動に感謝し、「心を受け継がせたい」と命名理由を語った。
赤ちゃんは事件2日後、父サミウラさん(46)の三男として首都カブールの病院で生まれた。サミウラさんは中村医師が灌漑(かんがい)事業を手がけた東部地域出身で、砂漠が緑地に変わる様子を見てきた。「干ばつに苦しむ村人たちを助けてくれたのは、外国の軍隊でも武器でもなく、現地の中村医師でした」と感謝し、「人助けの心を受け継がせたい」と息子に命名したという。
地元メディアがフェイスブックで紹介すると、8千件超の「いいね」が集まった。一方、サミウラさんの携帯電話には見知らぬ人から「イスラム的な名前でない」「標的になるぞ」との警告メッセージも寄せられた。襲撃を心配する家主にアパートを追い出され、郊外の家に引っ越した。それでもサミウラさん夫婦は、名前を変える気はないという。「国籍や宗教の違いを越えて、命がけで救いの手を差し伸べてくれた日本人がいたことを、私たちは決して忘れません」。
(カブール=乗京真知)
命がけの命名。記者の名前もユニークだ。名字は「のりきょう」、名前は「まさとも」と読みなくはない名前だが、込められたであろう意味はジャーナリストを予感させる。ご本人のツイートに、さらなる続報。
中村哲医師のように人助けができる子に——。そう願って命名されたナカムラちゃん。お兄ちゃんお姉ちゃんに可愛がられ、ミルクをたくさん飲んで育っています。
中村哲医師のように人助けができる子に——。そう願って命名されたナカムラちゃん。お兄ちゃんお姉ちゃんに可愛がられ、ミルクをたくさん飲んで育っています。