2020/02/27

数字になるものか

「香港デモ、逮捕された7000人の不安な未来」
Jessie Pang and Mari Saito
(エァクレーレン 訳)

[香港 2月23日 ロイター]

 デレク・タイさんが香港立法会の周辺で逮捕されたのは、昨年7月だった。数百万人規模が参加する反政府行動が始まったばかりのころだ。

 哲学を専攻し、物腰の柔らかい21歳のタイさんは逮捕から5カ月後、違法に集会を開いた容疑で起訴された。最長で禁固3年の刑がありうる。過去には、複数の被告が禁固8カ月を宣告された判例がある。

 「起訴されるなんて思っていなかった」と、タイさんは言う。今年ドイツに留学する計画だったが、仲間の多くと同様、実刑を科される可能性に直面し、香港での将来も見通せなくなっている。

 大量の逮捕・起訴、大幅に遅れる審理スケジュール、再逮捕された場合に即座に投獄される可能性を伴う保釈条件──。タイさんのような抗議参加者は、今後の人生設計を考えることもできない状況に置かれ、再び抗議活動に参加する意欲も失いつつある。

〈逮捕者は7000人規模に〉

 タイさんは、逮捕された抗議参加者が単なる統計上の数字になってしまわないよう、自分の裁判が世間の話題になり、フルネームで報じられることが重要だと感じている。

〈大量逮捕はデモ参加者への抑止力〉

〈厳しい保釈条件、起訴の不安も重荷〉

〈「多くの被告に対応できていない」〉

〈裁判情報サービスに利用殺到〉

〈足りない弁護士探しが日課に〉

〈長期の牢獄暮らしを覚悟〉

 被告やその家族らは、これからも抗議を続けていき、その大義のために何カ月、あるいは何年も牢獄で暮らす覚悟はできている、と言う。

 「何千人もの抗議参加者がすでに起訴されており、誰かがこの責任を担わなければならないと分かっている」と、タイさんは言う。「私たちの何人かはその責任を取らなければならないし、それがたまたま私だということだ」。



 数字になったらおしまい。向こうには数字にしたい都合がある。